Digital Multi Meter
ディジタルマルチメータ(ディジタルテスタ)
電圧(直流・交流),電流(直流・交流),抵抗値を簡易的に測
定し,ディジタル表示する装置です.
図 デジタルマルチメータ解説図
デジタルマルチメータは,電圧や電流,抵抗値の測定を効率よく行うための装
置です.4つの基本モード(直流電圧測定3,交流電圧測定11,直流電流
測定9,交流電流測定10,抵抗値測定5)があり,計測する対象に応じて使
い分けます.なお,交流測定時の有効周波数は,電圧計測時で40Hz〜1kHz,
電流計測時で40Hz〜400Hzです.
デジタルマルチメータの初期化
デジタルマルチメータを使用する前に,以下の初期化操作を行ない
ます.
- バッテリーをチェックしまず(BTサイン12が表示部に出ているかど
うか見ます).
- テストリードを接続します(赤は[+]6,黒は[COM]7へ).
- HOLDスイッチをOFFにします.
バッテリーが減っているようなら,指導教員に申し出てください.
直流電圧・電流,交流電圧・電流を測定するには
ここでは直流電圧,直流電流,交流電圧,交流電流の測定方法につ
いて記述します.モード選択以外の操作は,同一です.
- モードダイアル4を,目的の測定モードに合わせます.測定モー
ドは,直流電圧測定3,交流電圧測定11,直流電流測定9,交流
電流測定10です.
- 測定する電圧が全く未知の場合,大きいレ
ンジ(ダイアルの周囲に書いてある数字)から小さいレンジへ切り
替えて測定を行います(切り替えるポイント:ダイアルの数字は,
そのレンジの最大値を表しています.表示部の値が次のレンジ(今
より一つ小さいレンジ)よりも小さい場合は,次の(1つ小さい)
レンジに切り替えます.また表示部の左端に1(または−1)が表
示されていたら1つ大きいレンジに切り替えます).なお交流電流
測定モードの12Aレンジは,使用しないでください.
- テストリードの黒を回路の基準電圧へ,赤を測定する回路へ接
触させます.
- 表示を読みます(有効数字は計算時に考慮すればよいので,読
めるだけ記録します).
基準電圧は通常0Vですが,0Vの場所が取れない場合は自分で基
準電位を適当に定め,その電位を基準点にして測定してください.
またダイアルの周囲に書かれている数字の単位は,Vはボルト(電
圧),Aはアンペア(電流),Ωはオーム(抵抗)です.単位の前
にある,mはミリ(×10―3),kはキロ(×103),Mはメ
ガ(×106)です.
抵抗の値を計るには
抵抗値を計るには,以下の操作を行ないます.
- モードダイアル4を抵抗値測定モード5に合わせます.
- 抵抗の両端から出ている2本の導線に,赤と黒のテストリードをそれぞれ
接触させます(抵抗に極性はないので,黒のテストリードはどちらの導線にあて
ても良い).
抵抗の端子とテストリードを指で押さえて接触を助けると,人体の抵抗値も加
わって正確な値が得られません.ブレッドボードなどを用いて,抵
抗を固定するとよいでしょう.
導通をチェックするには
導通チェックとは,「(一連の導線を伝って)電気が流れるかどうかを調べる」
ことです.例えば,ブレッドボード上の配線が意図したとおりに接続できて
いるかどうか調べるときに用います.
- モードダイアル4を導通チェックモード8に合わせます.
- 調べたい配線の端と端に,テストリードの黒と赤を接触させま
す.「ピー」と音がすれば導通しています.ただし,配線の途中に
電子部品など導線以外の部分が存在しないことを十分確認してくだ
さい.導線以外の部分があると,導通チェックできない場合があり
ます.
調べる配線の区間を長くしすぎると,かえって「調べるときの配線
選択ミス」が出やすいので,目で追える位の配線区間で導通チェッ
クすると良いでしょう.
デジタルマルチメータの終了方法
実験終了時には,以下の操作を行ないます.
- モードダイアル4をOFF(4個所の内のどれでも可)にセット
します.
- テストリードを外し,まとめて元の位置へ戻します.
2002.04.03.
fmiso@sccs.chukyo-u.ac.jp