Osciro Scope
オシロスコープ
波形を表示する装置です.
菊水電子社製5020型
HUNG CHANG社製6502型
以下では菊水電子社製5020型について説明しますが,他のオシ
ロスコープもほぼ同様の操作で利用可能です.
図 オシロスコープ解説図
オシロスコープは交流波形を観測するための装置です.2つの入力
波形を同時に表示する機能(2現象表示)を持っています.
オシロスコープで波形を表示するときは,1周期分の波形ができる
だけ大きく表示されるように調整し,その状態を記録します(記録
は1周期分でよく,大きく表示すれば読みとり精度も向上します).
観測できる波形の振幅は5[V/DIV]から5[mV/DIV],周期は5[S/DIV]か
ら0.2[μS/DIV]です.DIVは画面のひと目盛のことです.
オシロスコープの初期化
オシロスコープを使うときには初期化手続きが必要です.
必須項目(CH1の表示位置調整含む):
- 電源スイッチ1をONにします.
- [VERT MODE]スイッチ14を,[CH1]に設定し
ます.
- [TIME/DIV]ツマミ23を,時計回りに回し0.2μ
Sに合わせます.
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチ5を[GND]に設
定します.
- CH1の[POSITION]ツマミ12を適当に回転させて,
輝線の表示位置を適当な位置(普通はブラウン管中央)に合わせま
す.
- [FOCUS]ツマミ3で,輝線がシャープに映るように調整
します.
- [INTEN]ツマミ2で,輝線の明るさを調整します.
- [ILLUM]ツマミ4で,目盛りの明るさを調整します.
- [VARIABLE]ツマミ25を,(カチッと音がするまで)時計回り
に回しきります.スイッチが飛び出している場合は,押し込んでお
きます.
- [LEVEL]ツマミ22(茶色)を,反時計回りに(カチッ
と音がするまで)回しきります.
- [LEVEL]ツマミ22(白色)を,ツマミ回転範囲の中央
付近に合わせます.
- [SWEEP MODE]スイッチを,[AUTO]22に設
定します.
- [SLOPE]スイッチ21を,[+]に設定します.
- [COUPLING]スイッチ17を,[DC]に設定します.
- [SOURCE]スイッチ16を,[INT]に設定します.
- [INT TRIG]スイッチ8を,[VERT MODE]
に設定します.
これは,画面に表示されている波形をうまく同期させる設定です.波形表示をCH1
に同期させるときは[CH1]に,CH2に同期させるときは[C
H2]に設定します.
- CH1とCH2の[VOLTS/DIV]ツマミ7&9(黄色)
を,両方とも時計回りに(カチッと音がするまで)回しきります.
スイッチが飛び出している場合は,押し込んでおきます.
1つの波形を観測するには
CH1の準備:(1から4までは,表示位置調整)
- [VERT MODE]スイッチ14を,[CH1]に設定し
ます.
- [TIME/DIV]ツマミ23を,時計回りに回し0.2μ
Sに合わせます.
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチ5を,[GND]に
設定します.
- CH1の[POSITION]ツマミ12を適当に回転させ,輝線の表示
位置を適当な位置(普通はブラウン管中央)に合わせます.
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチを,[DC]に設定
します.交流成分のみを表示するときは[AC]に設定します.
- CH1のBNCコネクタ6に,プローブを接続します.
(参考)CH2の準備:(1から4までは,表示位置調整)
- [VERT MODE]スイッチ14を,[CH2]に設定し
ます.
- [TIME/DIV]ツマミ23を,時計回りに回し0.2μ
Sに合わせます.
- CH2の[AC−GND−DC]スイッチ11を,[GND]
に設定します.
- CH2の[POSITION]ツマミ13を適当に回転させ,輝線の表示
位置を適当な位置(普通はブラウン管中央)に合わせる.スイッチが飛び出し
ている場合は,押し込んでおきます.
- CH2の[AC−GND−DC]スイッチを,[DC]に設定
します.交流成分のみを表示するときは[AC]に設定します.
- CH2のBNCコネクタ10に,プローブを接続します.
次にプローブを回路の測定点に接続します.プローブのワニ口クリッ
プは,実験回路の基準電圧に接続し,プローブの先端を使って目的
の回路から電圧を取り出します.
最後に以下の手順で,表示を調整します.
- [TIME/DIV]ツマミ23を適当に回転させて,1波長
が大きく画面に表示されるように調節します.
- CH1(あるいはCH2)の[VOLTS/DIV]ツマミ7or9を適当
に回転させて,波形が大きく画面に表示されるように調節します.
- [POSITION]ツマミ12or13&24を適当に回転さ
せて,波形の数値が読みとりやすくなるように調節します.
2つの波形を同時に観測するには
まず以下の手順により,2現象表示の準備を行います.
- [TIME/DIV]ツマミ23を,時計回りに回し0.2μ
Sに合わせます.
- [VERT MODE]スイッチ14を,[CH1]に設定し
ます.
- CH1の[AC−GND−DC]スイッチ5を,[GND]に
設定します.
- CH1の[POSITION]ツマミ12を適当に回転させて,
輝線の表示位置をCH2と重ならない様に,かつ目盛り横線のどれ
かに合わせます.
- [VERT MODE]スイッチ8を,[CH2]に設定しま
す.
- CH2の[AC−GND−DC]スイッチ11を,[GND]
に設定します.
- CH2の[POSITION]ツマミ13を適当に回転させ,輝線の表示
位置をCH1と重ならない様に,かつ目盛り横線のどれかに合わせ
ます.
- (CH1とCH2の両方を表示させるため)[VERT MODE]スイッ
チを,[CHOP]に設定します.
- CH1とCH2のBNCコネクタ6&10に,プローブを接続
します.
次にプローブを回路の測定点に接続します.2つのプローブのワニ
口クリップは,実験回路の基準電圧に接続しなければなりませんが,これらはオシロスコープ内部
で接続されているので,2つのワニ口クリップ間で電位差が発生しないように
場所を選んで接続します.またプローブの先端を使って,目的の回路から電圧を
取り出します.
最後に以下の手順で,表示を調整します.
- [TIME/DIV]ツマミ23を適当に回転させて,1波長
が大きく画面に表示されるように調節します.
- CH1とCH2の[VOLTS/DIV]ツマミ7&9を適当
に回転させて,波形が大きく画面に表示されるように調節します.
ただし2つの波形が接触しないように,また上下位置も調整しなが
ら行います.
- [POSITION]ツマミ12&13&24を適当に回転さ
せて,波形の数値が読みとりやすくなるように調節します.
基本は「波形を読みとりやすく表示すること」なので,形式にとら
われる必要はありません.例えば,位相のずれを調べるときにはC
H1とCH2の0V位置を同じにした方が見やすいはずです.
オシロスコープの終了方法
オシロスコープの終了手順は,以下の通りです.
- 電源スイッチ1をOFFにします.
- プローブを実験回路から外します.
- プローブをオシロスコープBNCコネクタ6&10から外しま
す.
外したプローブは,所定の位置に戻してください.
2002.04.03.
fmiso@sccs.chukyo-u.ac.jp