物理学実験
Lab5: 光の反射と屈折実験
(企画担当:上林 、実験室:電気電子工学実験室A)
オリジナルファイルは→
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(20120731版)
PDFファイルは完了版に対して作成し掲載します。
物理学実験の実験題目5「光の反射と屈折実験」の実験指導書です。
1. 実験の目的
幾何光学を理解する(観察者の視点、反射面、光源(観察対象)が与えられれば光の軌跡を描き、何が見えるか説明できる)。
光の屈折,全反射の原理を理解する(入射角と屈折角が与えられれば屈折率を計算できる,全反射の条件を示すことができる)。
光ファイバの原理を理解する。
2. 理論
(1) 幾何光学
光は波の性質を持っており,鏡などに当たると反射(reflection)する。 鏡に当たる光を入射波(incident wave),反射する光を反射波(reflected wave)という。 入射波が鏡の反射面の法線となす角を入射角θ
i
,反射波が法線となす角を反射角
j
といい,一般に、
θ
i
=θ
j
……(1)
である。このような反射を正規反射という。
(2) 光の屈折
光が空気中から水面に入射すると,一部は反射し,一部は屈折(refraction)して水中に入る。水中に入る光を屈折波(refracted wave)といい,屈折波が水面の法線となす角を屈折角θ
r
という。 反射角は,
θ
i
=θ
j
……(2)
であり,正規反射だが,屈折角は, になる。 空気中の光の速度を
v
1
,水中の光の速度を
v
2
とすると,
……(3)
n
12
を物質1(空気)に対する物質2(水)の屈折率という。
(3) 全反射
光が水中から空気中に入射する場合の屈折率はであり,θ
r
> θ
i
のため,θ
i
を徐々に大きくすると,θ
r
=90° __D_Dd___θ
i
を臨界角(optimum angle)という。 臨界角をθ
i0
とすると,
sinθ
i0
=
n
12
……(4)
となる。
(4) 光ファイバ
光ファイバは、細いガラス繊維でできており、中心部で屈折率が大きいため光が全反射しながら進む。光通信や内視鏡などに応用されている。
3. 実験
(1) 鏡の実験(正規反射)
(準備中)
(2) 水槽の実験(屈折と全反射)
水の屈折率を求めよ。
【実験方法】
光学水槽の中央の水平線まで水を入れる。
ランプを点灯し、入射角45°で空中から水中に光線を入射させる。
反射角、屈折角が測定できることを確認する。
必要に応じて暗幕をする。
正確に反射角、屈折角を測定する方法を検討する。
入射角を5°〜85°まで10°間隔で変化し、反射角、屈折角をそれぞれ測定する。
ランプを消灯する。
【結果の整理】
各入射角における水の屈折率、及びその平均、分散を求めよ。
水中から空気中に入射するときの反射角、屈折角、臨界角を予測し、実験により確認せよ。
【準備】
上の実験で求めた水の屈折率の平均値を使い、水の臨界角を計算せよ。
水中から空気中に光線を入射するときの入射角を5°〜85°まで変化したときの反射角、屈折角を予測せよ。
教員(TA)の確認を受けよ。
【実験方法】
ランプを点灯し、入射角を5°〜85°まで変化し、反射角、屈折角を測定する。
臨界角の確認方法を検討し確認する。
ランプを消灯する。
【結果の整理】
それぞれの入射角における、反射角、屈折角の測定値と予測値の誤差をそれぞれ求めよ。
臨界角の測定方法と結果を記せ。
教員(TA)の確認を受けよ。
(3) 擬似光ファイバ(アクリルブロック)の実験
アクリルブロックを光ファイバとみなし、その中を光が全反射しながら進む様子を観察せよ。
【準備実験】
図6のように、厚紙の上に、アクリルブロックとレーザー光源(レーザーレベルアングル)を配置する。
レーザー用ゴーグルを装着する。
暗幕をし、レーザー光源を発光させ、アクリルブロック内の光線の軌跡が観察できることを確認する。
入射角を変化し、光線の軌跡を観察する。
暗幕を開け、レーザー光源を消灯し、レーザー用ゴーグルを外す。
【準備】
入射角20°、40°、60°、80°における光線の軌跡を記録するために、厚紙にどのようなマークを書き込み、どのような実験をするか検討し、厚紙に必要な書き込みをし、実験手順をまとめよ。
想定される実験結果を記せ。
教員(TA)の確認を受けよ。
【実験】
計画した実験手順に従い実験を実施する。
【結果の整理】
計画通り結果をまとめよ。
教員(TA)の確認を受けよ。
4. レポート課題
(鏡の実験に関する課題1)
(鏡の実験に関する課題2)
(鏡の実験に関する課題3)
空中から水中に光が入射するときの入射角を5°〜85°まで変化したときの、それぞれの入射角に対する反射角、屈折角、屈折率を表にまとめよ(表1)。
表1から屈折率の平均値、分散を計算し、誤差要因を考察せよ。また、臨界角を計算せよ。
水中から空中に光が入射するときの入射角を5°〜85°まで変化したときの、それぞれの入射角に対する反射角、屈折角の測定値、理論値、及びその誤差を表にまとめよ。(表2)。
臨界角の測定方法と測定結果を記し、誤差要因を考察せよ。
アクリルブロックによる擬似光ファイバ実験の実験方法、実験結果を記し、考察せよ。
2012.08.01.
arranged by fmiso at sist.chukyo-u.ac.jp